アニメやマンガとの相違点!絵画が一枚でも成り立つ理由とは
子供はおとなより不器用ですし、構造的な視覚の発育が未熟なため、1人で旅をしたり何かをコントロールするための支配力がないので、あいまいなビジョンの中で物事を捉えますが、おとなに比べて感覚だけで言葉にならない言葉を伝達する能力が強いので絵を描くと個性的になります。まず人間は成長するにしたがって、潔癖性が芽生えてきて、礼儀と言うものを意識しだします。すると絵を描くときも形の整ったものを描画したり、美的感覚を強調したりと総合的な形成力の構築に努めるため、こどもよりも力強いタッチを表現できます。
こどもはの絵は平面的で一つ一つの要素が現実感を持たない状態で表されるので、遠近感を意識する暇もないほどに思い通りに筆を進め、時間をかけてコツコツ仕上げることはありません。しかし無意識のうちに全体のバランスを整え、配色も様々な色を施すため、子供の記憶からつむぎ出される要素はかなり現実的で、一見バラバラなプロットを作っているようでも実は描写としては、真実を物語っていることがよくあります。
また子供はおとなのように方便としての嘘をつくことがないので、頭で描いた映像をそのまま絵にぶつけていき、荒唐無稽とも思われる物体の配置を行っていくため、平面的でありながら画面が二重三重に浮かび上がっていきます。ところが幼年期を過ぎると外部からのインスピレーションが強まり、絵を知能的に操り始めますのである一定の年齢までいくと社会的な立場を意識して、微細的な感覚の替わりに1つのビジョンが与えられます。
子供が成人するまでに脳は発達して、構成力や支配力が強まり感覚だけで絵を描く事はなくなります。ピカソのような抽象的な絵を描く時には強烈なビジョンが必要不可欠になりますが、常に感覚が求められることから、無邪気な精神と言うものは絶対的な要素として存在し続けます。
子供の絵はアバンギャルド性に富んでいて、非常に空想的で奥行きを実感できる画面がより一層空間的な広がりを演出します。おとなはそう言った子供の感覚を軽視しがちですが、論理的な思考よりもインスピレーションで埋め尽くされた情緒豊かな世界観の構築と言うのは、思考の構造が柔軟な子供でないとなしえない技であり、一種の才能のようなものです。要するにピカソが求めたのは、これらの抽象的な具現化した構造を作り出す時には、絶対に名誉や支配力を意識することなく、力のこもった線をいかになめらかに引いてけるかが重要であって、緻密な計算を葬り去る必要がありました。
では教育の現場はどのような姿勢で子供に絵を教えていくべきでしょうか。まずこうしてはいけない、ああしてはいけないという否定的なことは一切口にせず例え貧弱な構図ができていたとしても、どうするとそれがいい方向へ発展していくのかを具体的に示していく必要があります。感覚がするどい子供をいい方向へ導くためには、教える側も柔軟な思考を持って臨機応変に対応していかなければならないので、常に一歩先を読みつつも子供の表現形態を見守っていくことが重要です。
いくら子供がおとなに比べて、多くの要素を発揮できるからと言っても、それぞれ個性は違いますから全員に同じ対応で接すると子供が偏った考え方に陥ってしまい、悪循環に繋がるので注意が必要です。個性を伸ばすことほど難しいものはありませんので、性格上の欠点にも配慮しながら指導しなければなりません。途中で行き詰らないようにするためにも簡単な図形の描画をお手本で示すと、子供は視覚で捉えていくので意図するイメージを伝える事ができます。逆に先天的な描画力を持つ子供がいれば、簡単な方向性を示せば大丈夫です。
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