絵を描き続けるうちに自分の個性を際立たせたいと思うのは自然な流れであって、絵を描く事事態がマンネリ化してくると情熱が薄れて、気力がなくなってしまいます。そこで自然や建築物、人間、動物にいたる世の中のありとあらゆるものをスケッチしてテリトリーを広げましょう。一見ありとあらゆるものと聞くと、地球上の群像を網羅する事は難しいのではないかと思うかもしれませんが、今はインターネットがあるので家にいながら自由に想像したものを調べる事ができますので、まずは身近な犬や猫など自分が好きなものからスケッチを始めていけば楽しみながら描けますし、リズム感のある描写に挑む事ができます。

描きたいものが見つからなければ、自分の部屋をスケッチすることをお勧めします。普段見慣れている場所は簡単に描けると思いがちですが、遠近感を意識しなければならないので、注意深く観察していく事が重要です。意識して部屋を見渡すと、実に色々なものがありますので、全てを丹念に描写する作業と言うのは容易なことではありませんし、しんどくなってくることもあるでしょう。そんな時は描いているものに触れて質感を確かめましょう。例えば車は固いものであると思っていても実際手で触れてみると、簡単にへこむことが分かりますし、プラスチックは軽くても固いので固定概念を取り払って、積極的に物体の質感を確認すれば、リアルな描写に対する苦手意識はなくなっていきます。

インターネットで画像検索すれば描きたいと思う目的の対象物はすぐに確認できますが、いわゆる現場の雰囲気を味わうことも絵を描く上では大きな訓練になると言えますので、外に出て自然の景色を自分の目で直接確かめながらスケッチしてみましょう。ただ自然がない所に住んでいるのであれば、家やビルを描いても問題はありませんし、ライブ感覚の中で対象物を描写する事は物体を感覚として捕らえていく事ができるので、絵に取り組む姿勢も違ってきます。例えリアルな構図を再現できなくてもできる範囲で大丈夫なので、まずは自分が描けそうなものを見つけるところから始めてみましょう。

また動物園は野生と違い動物たちが動き回らないでいることが多いので、スケッチするのに格好の材料と言えますし、一度に様々な生き物を生で確認できることも非常に価値のある体験と言えます。それは喫茶店のように人が集まりやすい場所にも共通した事が言えますので人物のスケッチにも挑戦する事ができます。そう言った訓練を重ねていけば自ずと出掛ける時にスケッチブックを携帯するようになりますので、様々なものを生で見ながら構成を組み立てると言う訓練にもなります。そういった行動が日常的になってくると、普段経験する事のない瞬間的な出来事に遭遇した時でもそれを脳裏に焼き付けて、後からでも絵に描き起こす作業が可能になってきます。

要するにスケッチの積み重ねは観察眼を活発化させる訓練とも言えるため、脳の中で見たものを形にしていく作業が繰り返されれば、過去の記憶すらも1つの画像として見る事ができるので、それを絵で表現していくという高度な技術に繋がります。ですから絵にしたいと思う1つの対象物をできるだけ色々な場所から観察することが重要です。多面的な視覚を養いながら着実に1つの構図を完成させる事ができますので、それが自然であっても人間であっても、光と影の関係性や物質の本質が分かってくると、しぜんに指先が反応して細かい描写にも挑む事ができます。

まずはライブ感覚を体に染み混ませて、それを再現する取り組みを実践してみましょう。そすれば想像で様々なものを描けるようになりますのでお勧めです。