美しい女性を目にした時、その人の顔を描きたいと思うことがあると思います。人の顔と言うのは千差万別なので、顔立ちが整っていても描きやすい人と描きにくい人がいるはずですし、美しいと思える要素を全て描写することは難しいので、まずはまつ毛をきめ細かく描いてみましょう。人の顔で最もルックスに関わってくるのは目なので、目の上側のラインは若干細くなめらかな線で描く必要があります。とくにまつ毛はリアルに描くと瞳に光がともるような感じになるので、女性を美しく描きたい時には絶対に意識しなければなりません。

まつ毛の線を調整すると目の上側のラインが太めになりますが、目に奥行きができるので、実践してみましょう。美しさを誇張したい時にも役立ちますので、まつ毛は多少多めにすることをお勧めします。ただ注意しなければならないのが、まつ毛は微細筆を使わないと瞳の面積を著しく削ってしまう恐れがあるので注意が必要です。瞳に反射する光の点や線も忘れてはいけません。これらを忠実に再現することによって、まつ毛の線と呼応して目に輝きが溢れるので顔が優しくなり美しさは倍増します。まつ毛は目の下側にも生えていますので、じっくり観察していきましょう。

また目を誇張する事は、顔のパーツのバランスを相互に整える働きに繋がるので、目から描き始める事が重要で、目、鼻、口と言う順番に描き、再度目を修正してからまゆ毛を描く様にすると、整った顔立ちが形成されていきます。美しい目を描く事は美しい顔を描く事に繋がって行きますが、美しい目とはどのようなものなのでしょうか。まず美人画を描くときに注意するべき事は、描きたいと思う人の目が斜め上に上がっているのか、下がっているのか見極める事が重要になってきます。

目の上側の線から考えると目の付け根から弧を描いて外側に広がっていくわけですが、この時に若干ラインが下がり気味になりつつも、斜め上に上がるように描けば、心地よい美しい目の線が完成します。ただし下側の線を描く時に上側の線よりも太くしてしまうと、人相が全く違う顔になりますので注意が必要です。

目の付け根の部分が細くなっていると目全体が細くなりますし、付け根が広がっていると大きな目になるので、その描き出しにも注意して筆を進めていく必要があります。今若い女性の間ではまぶたを二重にする化粧品の器具を使う人が多くいますが、これは目の上側のラインの面積を増やすことで、しなやかな目の曲線ができることと目を大きく見せることで、顔全体のバランスが整うという効果がありますので、美人画を描くときも目に美しいラインを施して大きめに描くことを意識しましょう。

そして目に対する双方的な効果をもたらす鼻は、目よりも高い位置から鼻筋のラインを引くと、欧米人のように彫が深い造型を作り出しますし、目よりも低い位置からラインを引くとくりっとした鼻になります。ただ鼻を高く描いた時に横幅が狭すぎると魔女のようにとがった鼻になるので、微調整をしながら描き、鼻の先も丸くなっているのか角ばっているのか考えながら調整していく事が重要です。ただ鼻を高くすれば美しい美人画が描けるというわけではなく、あくまでも全体のバランスが重要ですし、顔の輪郭線がいかに滑らかで、パーツを捉えながら全体を網羅していけるかが重要なポイントになってきます。

顔ができたら体を描いていきますが、首を細長くすると、顔のバランスが良くなりますが、ここも細すぎると美しさが半減してしまうので、胴体も含めて全体をゆっくりと仕上げていく事が重要ですし着ている服の色合いも、鮮やかにしていくと引き締まった画面ができます。